ハマダン

ハマダンは、イラン西部に位置する都市で、首都テヘランから３００キロ西へ進んだ場所にあります。ハマダンは、世界で最も古い都市の一つで、聖書の中ではエクバタナの名で記載されています（旧約聖書のエステル記を参照ください）。ハマダン市は、絨毯取引の中心地であり、周辺村と都市から数百というカーペットが製造されています。この中でも最も良質な絨毯は、よりシンプルに作られており、ナハバンド、ツイセルカン、マライエール、ホセイナバードなどの名で販売されています。ハマダン市で売られているカーペットは一般的にハマダンと呼ばれています。絨毯はその典型的な模様とサイズですぐに認識することができます。模様は非常に変化性を持ち、全体的には反服するメダリオンのパターンが見られます。個々のデザインとしては、魚のようなヘラティ模様が一般的です。全体的な色としては、異なるニュアンスを持つ藍色と茜色が主色として使用されています。古いハマダン産絨毯は非常に魅力的で、ハマダン市ではかなり高品質な絨毯として製造されています。これらのカーペットは、シャフル•バフ(シャフル=都市名, バフ=ノット)と呼ばれ、ビジャー産絨毯と構成が似ていますが、シャフル•バフは今日の市場に於いては稀です。製造されたカーペットは、強く、光沢があり、しばし天然素材された手紡ぎ糸が使用されており、非常に耐久性のある表面と美しい色彩を放ちます。今日の共通点としては、１本の緯糸と綿製縦糸にて作られています。模様は幾何学的模様が多く見られますが、花のモチーフも構成されます。原料とデザインは非常に可変品質なものが多いのが特徴です。

１９２０年以前の古い絨毯の縦糸は今日の綿糸とは異なり、羊毛で作られています。１９６０年以降の新しい絨毯は、合成色が使用され、古い絨毯よりも品質が怠った羊毛が使用されています。サイズとしては、ドザーとザロニム（約２００x１２０cmと１５０x１００cm）が最も一般的で、日常的な使用向けであることが特徴です。絨毯の例として、Burchalow、エンジラス、ホセイナバード、リリハ、ハムセ、ザンジャン、マライエール絨毯が挙げられます。これらの絨毯は、ハマダンの名前で販売されています。

ハマダンのいくつかの例:

技術仕様:
パイル糸: 品質が異なる強力な羊毛
緯糸: 綿、１緯糸
経糸:綿糸
ノット:　シングルノット
ノット密度:１平方メートルあたり９万〜３０万ノット